設立経緯 ~経験と科学の融合~

 昭和38年の救急業務の法制化以降、救急隊が現場で展開する病院前救護は高度化しています。昭和38年当時、病院前救護の主たる業務は「搬送」でした。しかし、病院前救護を担う国家資格として救急救命士が誕生した平成3年以降、病院前救護において救急救命士が現場で行う処置範囲は拡大しており、現在では「搬送」に加え、気管挿管、薬剤投与などの特定行為を含む「救急救命処置」を現場で行っています。

 病院前救護はこれまで、長く救急業務に従事したベテラン救急隊員の「経験」によって支えられてきたが、その高度化にともない、現在は「経験」に加えて「科学的根拠」が求められるようになりました。救急隊の活動の基盤となる各種プロトコールは、科学的根拠に基づいて策定される部分が大きい。また、近年では救急隊にも、全国救急隊員隊員シンポジウム・日本臨床救急医学会などの学術集会に参加する機会が増え、病院前救護に関わる研究に触れる機会も多くなっています。

 現在、病院前救護の分野では様々な課題が山積していますが、これまで、消防組織内では課題の解決のために科学的に研究しようとする考え方にはなじみがなかったため、研究する方法も育ってきませんでした。それ故、救急隊こそ病院前救護の担い手であるにも関わらず、この分野に関する研究は、大学機関に所属する民間救急救命士や地域の救急医などの外部に依存し、救急隊は、その外部からもたらされる科学的根拠に基づいて病院前救護を展開してきたのが現状である。

 病院前救護の分野には、実際に病院前救護に従事する救急隊にしかわからない、いまだ表面化してない課題も多く存在します。これらの、現場から生まれる課題は、研究課題として良質なものです。病院前救護に「科学的根拠」が求められている現在、救急隊は病院前救護の担い手として、直面する課題について自ら研究し、解決への道筋をつけることに対して責任を負っていると考えられます。そこで、消防組織に属する救急隊員が、自ら課題を発見し、研究し、科学的根拠を得て外部に発信し、課題の解決に貢献することを目的として、消防救急研究会を発足しました。

 本研究会は、消防救急研究会という名称ではありますが、病院前救護に関わる研究に興味がある消防職員の方はもちろん、研究の方法を学びたい方など、職種を問わずどなたでもご入会頂けます。多職種で本研究会を盛り上げていきたいと思っております。

 

発起人一同

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